校長 鈴木 久美子
本校勤務3年目。校長としては2年目となりました鈴木と申します。
昨年度、本校は創立150周年という大きな節目を迎え、皆様のご協力を得て記念式典や祝賀会を実施することができました。今年はさらに一歩踏み出す年です。しかし、一方で児童数、家庭数、学級数、職員数が激減するという課題があり、昨年度から、「どのようにすれば持続可能か」ということを何度も校内で検討してまいりました。PTA活動については、PTA三役にも何度も集まっていただき話し合いをしました。
その結果、まず、PTA組織を見直し、3つの専門部のうち、保健体育部と広報研修部をなくして保護者の負担を減らすことになりました。新堀地区全戸に配付していたPTA新聞「止善」は令和6年度末の156号を最終号とし、今年度からは、必要な記事は学校だよりで補うことにしました。また、その他の必要な事業は一家庭一役として役員以外の家庭にもできる範囲でのご協力を依頼することにしました。そして、夏休み前の地区懇談会は、これまで職員が各地区に伺っておりましたが、職員も少ないことから、今年度よりコミセンに集まり、全体会と地区別の二部構成で実施しました。保護者の皆様、地域の皆様にご協力いただき、計画通りに実施できておりますこと、大変ありがたく思っております。改善を重ね、よりよいスタイルにしていければと思います。
校内の行事についても大きな変化があります。新堀小学校の特色ある伝統行事の一つである相撲大会のことです。稲わらを使った土俵作りからつながる相撲大会は、コロナ禍で中断したものの、長年続いてきた地域の皆様と協働した取り組みであり、学校としても大切にしてきた行事です。しかし、児童数の減少、そして職員数の減少により、毎年70近くもの俵を作ること、横綱土俵入り・弓取りなどの儀式、相撲の取り組みを行うことが非常に難しいことなどから、今年度の相撲大会を最後の大会とすることにいたしました。昨年度末より地域の関係者の皆様に相談しており、保護者の皆様や子どもたちにも伝えてきました。
そして迎えた相撲大会当日は、なんとしても土俵の上で大会を行いたいというみんなの思いが天に通じたかのように、梅雨の晴れ間となりました。見上げるほどの大きなのぼり、そして、手作りの土俵には同じく心を込めて作られた梵天が飾られました。行司を引き受けてくださった卒業生の方は、この日のために遠方からわざわざ酒田に帰ってきてくださいました。他にもたくさんの方々が相撲大会のために協力してくださいました。
「『新堀の子がたくましく育つように』との思いがつまったこの土俵で、相撲ができるのは45人の皆さんだけです。正々堂々と最後まで、力を尽くしてがんばってください。また、横綱土俵入りや弓取りは、6年生が東の、5年生が西の横綱をたてて行います。複式学級の5,6年生一人一人が自分の役割を果たすところを、下級生はしっかりと見て学んで下さい。」
と開会式で話をさせていただきましたが、最後までがんばる子どもたちの姿に、土俵周りにつめかけた保護者や地域の皆様から惜しみない拍手をいただきました。本当にありがとうございました。
「地域の宝」ともいうべき学校の伝統行事をなくすことは、苦渋の決断でした。「残念だ。」との声もたくさんありました。それだけすばらしい行事を続けてきたということだと思います。しかし、「最後の大会をなんとか成功させたい。」という多くの人々の熱意のおかげで、みんなの記憶に残るよい大会になったと思っています。この場をお借りして、関係者の皆様に心より感謝申し上げます。
今後も、家庭や地域のご協力を得ながら、教職員一同、子どもたちの健やかな成長のために力を尽くしてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
令和7年8月
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